L`atelier du cuir

カメラ革ケース補修


       


上が修理前のミノルタコードです。縫い糸は、革、金具のほとんどが劣化していて、
全面手縫いによる立体縫いが必要でした。
ストラップは手提げ仕様からウエストレベルに当時の仕様通りに再現しました。
革の調色、リフレッシュ、保革を行い蘇りました。




今はもう作られなくなってしまったカメラ用革ケースを熟練の技で蘇らせます。
クラシックカメラには必ずと言って良いほど、革ケースが付属していました。
大切なものを守る為、そして金属の冷たい感触を嫌ったからでしょうか。
革ケースは次第に手になじみ、身体の一部と思うほどの一体感が生まれます。
また革ケースがあったからこそ、多くのクラシックカメラが守られてきました。

カメラの革ケースの修理はカメラの知識に加え、解体や手縫いや補強等、
一般の革修理屋さんではできない特殊な技術と経験が必要です。


革ケース補修参考価格表

修理項目
参考価格
補修内容など
糸の解れ 2,000円〜 糸の太さや形状、解れの長さにより難易度も変化
革切れ 3,000円〜 革充てと手縫いによる補修
前蓋亀裂 3,000円〜 革充て、手縫い、接着等による補修
レンズ突起部外周糸切れ 4,000円〜 細糸の手縫いによる補修や外周補強
底部、底抜け 5,000円〜 解体及び手縫いによる補修/鉄板、三脚ネジは注意
内張りビロード破れや剥がれ 1,000円〜 接着補修又は張替え
ホックバネ劣化 1,000円〜 ホック交換又は修繕
ストラップ劣化 2,000円〜 革充て補強や、部分的な切れは手縫い補修
ストラップ金具劣化 1,000円〜 金具交換
ストラップ交換 3,000〜10,000円 特注で1枚革から切り出し製作
剥げや乾燥によるひび 3,000円〜 調色、保革、リフレッシュ、革充てなど
汚れ、カビ 3,000円〜 クリーニング、保革、リフレッシュ
リフレッシュセット一式 10,000円 経年による革の劣化をよみがえらせます

■修理見積
上記参考価格はあくまで目安とお考え下さい。
革ケースの補修費用は革ケースの構造、革の質、不良状況等により異なります。
そのため、概算見積は革ケースをお預かりしてからになります。


■ご依頼方法
修理についてのお問い合わせ、お申し込みはお問い合わせページからご連絡いただければ、
ご案内致します。
営業時間内であれば、お電話でも受け付けております。
修理品は慎重に梱包の上、工房宛お送りください。
また、受付時間内(金、、土、日、月曜日 午前10時〜午後6時)であれば、
予約の上お持込も可能です。撮影や現像中の場合、ご対応できない場合がございますので、
必ず前日までに予約をお取り下さい。
修理品受付後、預り証の発行及び見積と納期をご連絡差し上げます。

■リフレッシュセット
古いカメラと共にあった革ケースは表面がはげていたりして、汚らしいことが多いので、
ゴミ箱に捨てられてしまうことも多いようです。
でも、今の技術では再び作ることはできないものがほとんどです。
そのような時にリフレッシュセットをご利用ください。
部分的な補修よりお得に、費用を気にせず、革の風合いを蘇らせます。
わずかなヒビや色剥げもセット内で直せます。
難易度の高い修理箇所があった場合等、
別途費用がかかる場合がございますので、ご相談ください。

補修要綱はご注文についてをご覧ください。(ご依頼の前に必ずお読みください)
 



■修理実績(抜粋)
レフレックスコレレ、プラウベルロールOP、セミレオタックス、
ローライコード、ローライスタンダード、ローライフレックス、ベビーローライ、
スーパーイコンタ、ツアイスイコン ネタックス、スーパーシックス
六櫻社 リリー2號,パール、フォクトレンダー ベッサRF、ベッサ、
プラクチシックス、ペンタコンシックス、ハッセルブラッド1600
イコフレックス、コンタフレックスTLR、ミノルタコード
ミノルタフレックス、オートセミミノルタマミヤシックス、
フジカシックス、プリモフレックス、プリモフレックスJr.
リコーフレックス、リコーフレックス7、リコーフレックス ダイヤ
ミノルタA2、ミノルタV3、ニコンS2、ニコンSP、ニコンF,F2、ローライ35
バルナックライカ、コンタフレックス、ペンタコンFM 、ライカ、
FOCA SPORT、 FOCA SPORTUC、レチナ レチネッテ、レチナ3C、コンドル
ロボット、キャノン7、パックス、オリンパス35T、ニューオリンピック
コダックレフレックス、ポラロイド


カメラと革ケース修理例

ここではカメラと共に修理依頼いただいたものを抜粋して掲載させていただいております。



ライカVf ローランド オリンパス35Ivb
1950年発売のバルナック型ライカの完成形と
言われるモデル。コンピュータによる設計で
は決して作れないシンプルで人が使いこなす
に相応しい美しさです。
1931年に発売された世界初のファインダー
と一体化した連動距離計を装備した6×4,5
のブローニー判カメラです。レンズはテッ
サーなどの発明で有名なパウル・ルドルフ
博士によるプラスマートです。

1948年発売の35oカメラ。名機クロームシッ
クスと共通性のあるデザインは均整がとれた
美しいデザインです。
速写性をコンセプトにしたカメラであったよ
うで、「巾着切カメラ」と呼ばれたとか。当
時の世相が偲ばれます。

ハッセルブラッド プラウベルマキナ67 ローライスタンダード
ハッセルブラッド1600F,1000Fは最初にして既
に完成されたデザインのカメラでした。
高速フォーカルプレーンのシャッターとフィ
ルムカートリッジとレンズ交換ができるシス
テムカメラとして機能的にも完成されていま
した。
プラウベルマキナはドイツで1912年から
1953年にかけて作られた先進的なレンズ交
換ができるプレスカメラでした。これを復
活させようと1978年プラウベル社に設計を
委託したカメラで日本とドイツの英知を結
集して作られたカメラでした。最後の中判
用ニッコールの卓越した描写が素晴らしい
カメラです。
カメラの王者として長い歴史を誇る
ローライフレックスの最初のモデルです。
最もシンプルで軽量で今でも使用に耐える十
分な耐久性があります。
今のカメラではあじわえないクラシカルな写
りも魅力です。

ローライフレックス 3,5F ミノルタオートコード フォカ スポーツ
スタンダードがローライを二眼レフの代名詞
として打ち立てた機種とするなら、この3,5F
はローライの完成形と言えるでしょう。
この間ローライは絶えずブローニーカメラの
トップブランドとして君臨し続けました。
その秘密は優秀なレンズと絶えざる技術革新
であったと言えます。
ローライ二眼レフを真似たカメラは世界的
に数多く作られました。
レンズのロッコールは戦後間もなくミノル
タフレックスから使用され、実に20年近く
基本設計を変えず作り続けられました。
ローライがプラナーを搭載した後も、ミノ
ルタはロッコールの設計を変えませんでし
たが、その写りはプラナーをも凌ぐとも言
われました。
フォカはライカに対抗して、フランスで作ら
れた個性的なカメラでした。
細部に至るまでフランスのエスプリを感じさ
せるユニークなデザインに魅了されます。写
真の2Cは特に直線的なデザインの中にシャッ
ターボタンや巻き上げレバーが隠されていま
す。
フランス全体が独自の思想をその形にまで反
映して、輝いていた時代であったのではない
でしょうか。



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